【2018年改正】池上線検測列車の運行
ここでは2018年3月30日改正時点での池上線検測列車の運行について述べる.
前置きとして,一般に検測列車をはじめ不定期回送列車や不定期試運転列車の時刻表が出回ることは基本的にない.それが現行のものであれば尚更である.それ故我々「運用鉄」は何かしらそういった列車が運転されるたびにログを取り,それらしい時刻表を生成するのである.したがって線区特性を理解していない人間には不可解な現象も多々発生する事だろう.一例として先日某掲示板(https://loo-ool.com/rail/TM/)に記入された書込み*1を引用する:
74(1)デヤ7500+7550試運転
74(3)デヤ7500+7550試運転
74(4)デヤ7500+7550試運転
これに対するレスポンスが
〓〓〓〓〓〓〓〓が取消(3回も入出庫があったとは考えにくい(2)が無いのもおかしい)
であった.確かに日中の限られた時間内で3回も入出庫をするのは不自然だし,(2)も抜けている.何故なのか.
まずは入出庫の話をする.検測列車は多摩川駅まで274運行として運転され,多摩川駅から74運行となる.これが74運行-1にあたる.その後上り雪が谷大塚駅で一旦入庫し,営業列車をやり過ごした後6分後に再出庫し五反田駅に向かう.これが74運行-2にあたる.五反田駅を発車後やはり下り雪が谷大塚駅で再び一旦入庫,ここでも営業列車に抜かれ6分後に再出庫し多摩川駅に戻る.これが74運行-3にあたり,274運行へと変更し目黒線に戻る・・・あれ?74運行-2がある一方74運行-4は無い?
細かい出庫回数の話はさておき,以上の流れが「通常の」検測列車の運転方である.わざわざ「通常の」と書いているのだから読者諸氏御賢察の通り通常ではない*2運転方も存在する.掲示板での符号が1・3・4であるということは,ここで述べた74運行-1と74運行-2との間に何らか74運行を冠する列車が存在するのである.
突然だが下記の写真を見ていただきたい.
下り試運転40運行-2と上り試運転(検測)74運行-1とがすれ違っている.これら2列車の大まかな時刻は以下の通り:
- 40運行141列車:五反田14時02分→14時26分蒲 田
- 74運行142列車:蒲 田14時15分→14時25分雪が谷
日中の不定期試運転列車は軒並み蒲田駅で到着後速やかに折り返す事を踏まえると,この時点で40運行-2は74運行-1の約12分後に運転されている.ここで先述した74運行の一旦入庫を思い出してほしい.74運行は上下とも雪が谷大塚駅で営業列車に追い抜かれるのである.この際のロスは各6分.したがって下り雪が谷大塚駅発車時点では14時現在よりも12分後ろの走行位置となる.その段階での両運行は概ね以下のような時刻となっている:
- 40運行143列車:五反田14時50分→15時14分蒲 田
- 74運行151列車:雪が谷15時03分→15時14分雪が谷
見事に被っている.これでは新車試運転と検測とを両立できない.
・・・さて,そろそろお分かりであろう.
- 74運行-1と74運行-2,74運行-2と74運行-3の間にはどちらも6分のブランクがある
- ブランクを保持すると40運行-2に追いつかれる
- 74運行-1と74運行-2の間に74運行が存在する
つまるところ,雪が谷大塚駅での待避が無ければ40運行-2との間隔を維持しながら検測を終えられるのである.この場合運行図表上では74運行-1を一旦入庫させてしまったから継続運転でも再出庫扱いとなる.どこかで見ましたね?そう,平日1運行-2(【2018年改正】池上線定期回送の考察 - 2日目の鍋は旨い)です.この待避を行わず運転継続しそのまま多摩川に戻るのが74運行-2であり,本文中で散々言及してきた74運行-2・3は実際のところ3・4だったのである.これが掲示板に「(1)(3)(4)」と記入した理由である.3回も入出庫があったとは考えにくいかもしれないが,入出庫しているのである.現実を見て.
まとめに移る.2018年改正現在*3の74運行は以下の4つに区分される:
- 多摩川14時04分→141列車→蒲 田14時15分→142列車→14時25分雪が谷
- 雪が谷14時26分→144列車→五反田14時38分→143列車→蒲 田15時03分→152列車→15時13分多摩川
- 雪が谷14時32分→146列車→五反田14時44分→145列車→14時56分雪が谷
- 雪が谷15時03分→151列車→蒲 田15時15分→154列車→15時25分多摩川
なお,毎度のことではあるが,ここで記述している内容は全て独自に調査して得たものである.時折「運行図表上では~」という記述をするがあくまでも答え合わせ程度であることに留意していただきたい.検測列車の時刻は他の不定期試運転列車,特に40運行-2の観測成果を一部流用しているので数分のずれはご容赦願いたい.
以上,2018年改正における検測列車運転方の概観であった.