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【2016年改正?】池上線降雪減便ダイヤについて

 ここでは2018年1月22日時点での池上線降雪減便ダイヤの解説を行う.

 

 まずは以下の写真を見ていただこう:

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当日の天候は言うまでもない.

言いたいことはいくつかあるのだが,まずは発車標を確認しよう.夕方17時台に7分(写真では分からないがこの後は28分・35分と続くので実際には6分30秒)間隔で列車が発車している.池多摩線の運用に興味のある方ならここで疑問を抱くはずである.本来この時間帯であれば平日ダイヤでは5分間隔,土休日ダイヤでも6分間隔で列車が発車すべきである.そして運行番号に目を移すと堂々と輝く「27」の文字.おかしい.という訳で,単純なダイヤ乱れではなく降雪減便ダイヤ*1に則って運転されていることが分かる.

 このダイヤの特徴を見てみる.撮影時点では既に午後出庫が始まっていたが,日中では通常通り池上線は10運行,多摩川線は5運行で回しているようである.では減便ダイヤの要素はどこにあるかと言うと,悪天候による運転時間の増大を考慮に入れて設計されているようで,1周にかかる時間が増大している.具体的には池上線で75分周期(7分30秒間隔),多摩川線では40分周期(8分間隔)となっている.朝間の実績は現在確認できていないため不明だが,夕刻では池上線で12運行66分周期(5分30秒間隔),多摩川線で6運行39分周期(6分30秒間隔)となっている.通常の平日ダイヤでは日中は両線6分間隔,夕刻は池上線で4分30秒間隔,多摩川線で5分間隔のため概ね8割弱といったところである.

 ではこのダイヤはいつから設定されているのだろうか.当日撮影した別の写真を見てみよう:

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発車標か時計と一緒に撮らない怠慢.反省すべし・・・

明らかに夜間に撮影したものであるにも関わらず18運行という辺りで何かおかしいのだが,これは増発分ではなく日中の10運行体制に含まれているものである.当日は昼過ぎから減便ダイヤに移行したため出庫箇所は不明だが,当時の通常ダイヤでは平日18運行は蒲田①番線留置明けであることから大方見当は付く.つまり,留置明けの運行については通常ダイヤと同じ番号を流用し,雪が谷出庫の運行については何らかの意図を持って付番しているのであろう.実際池上線では24運行が日中以降周回しているが,通常の平日ダイヤでは24運行は雪が谷大塚の上り初電である.この事から当時の最終改正,すなわち2016年3月26日の通常ダイヤ改正と同日に(予備として)スタートしたと考えるのが妥当であろう.本記事の執筆時点では2018年3月30日改正の通常ダイヤが用いられており,留置箇所に変更が生じているが,具体的にどのようにアップデートされたかは不明である.

 

 昨今の社会情勢に関連して鉄道輸送に関する省力化・・・減便ダイヤが一時期取り沙汰されたが,現段階で確認できている減便ダイヤはこのように悪天候を理由とした運転時分の増大に伴うものである.運行趣味者各位においては自身の持っている情報がどのようなものであれ,期待するに値するか否かをしっかりと見極めていただきたい*2

 

 以上,2018年初頭における降雪減便ダイヤの概観であった.

*1:降雪ダイヤと呼ぶべきなのか減便ダイヤと呼ぶべきなのかどうなんですかね.

*2:自戒を込めて.