2日目の鍋は旨い

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【2021年改正】3月13日ダイヤ改正に備えて:傾向と対策

 ここでは2021年3月13日改正ダイヤについて,現段階(2月13日時点)で判明している情報を基に考察を行う.

 

1.概要

 今回のダイヤ改正の要点は以下の通りである:

  • 平日朝間の大幅な手入れは明言されていない.
  • 平日日中において運転時隔を6分00秒から7分30秒へと拡大する(プレスリリースでは「7~8分間隔」と記載されている).
  • 平日夜間の下り列車を削減する(プレスリリースでは上り列車および夕刻への言及はない).
  • 全日深夜の最終列車時刻を繰上げる.

本稿では,これらの情報を基に,改正後のダイヤの形を予測してゆく.

 

2.平日日中の列車

2.1.池上線

 平日日中における2014・2016・2018年各改正での下り列車の運転時刻を見てみると,時刻表上では五反田発車から23分後に蒲田に到着している.しかし途中駅を見てみると,荏原中延及び旗の台のみ五反田比での発車時分がずれて3パターン存在しているのが分かる.これだけで厳密に運転時分を割出すのは難があるが,経験則として五反田~蒲田の所要時間は下り22分50秒・上り23分というものがあるのでこれを適用する.したがって,両端駅での折返しにかかる時間(それぞれ最短3分30秒)を加味すると,1運行あたりの最短サイクルは52分50秒となる.7分30秒間隔で列車を運転することを考えると,池上線全体としては60分サイクル・8運行体制が確定する.

 1往復あたりの運転時間としては最短45分50秒であるから,両端駅での折返し時間の合計は最長で14分10秒となる.運転時隔が7分30秒であることを考えると,一方では交互着発,他方では単線着発となる.五反田では乗降一体ホームである一方,蒲田では乗降分離かつ不定期回送列車が多摩川線と直通運転を行うことを踏まえ,蒲田で単線着発を実施するものと考えられる.

 五反田発車時刻を起点に考え,22分50秒に蒲田に到着した列車は後続の到着,すなわち30分20秒に到達する前に蒲田を折返し発車し,52分30秒よりも早く五反田に到着する必要がある.経験的に五反田の着発時隔を30秒以上,蒲田の発着時隔を1分以上確保すると,具体的には26分20秒~29分の間に蒲田を発車する必要がある.すなわち,五反田での折返し時間は8分~10分40秒・蒲田での折返し時間は3分30秒~6分10秒となることが予測される.

2.2.多摩川

 池上線と同様,時刻表と観測から算出する経験則としては多摩川~蒲田で下り10分10秒・上り10分というものがある.こちらについても折返し時間を加味すると最短サイクルは27分10秒となり,多摩川線全体としては30分サイクル・4運行体制が確定する.

 折返し時間の割当てについては多摩川・蒲田両駅合計で9分50秒となるが,一方で3分30秒を確保すると他方が最大6分20秒となり,運行時隔を下回る.したがって,多摩川・蒲田両駅で単線着発を実施することも確定する.

 多摩川での発着時隔を1分30秒以上,蒲田での発着時隔を1分以上確保すると,多摩川での折返し時間は3分30秒~6分・蒲田での折返し時間は3分50秒~6分20秒の範囲に収まると考えられる.

2.3.時刻の突合せ

 池上線と多摩川線の日中パターンが定まったので,蒲田においてどうリンクさせるかを考察する.従来より多摩川線の蒲田発時刻は毎時0分50秒が基準であったため,これを踏襲し毎時0分50秒→8分20秒→15分50秒→23分20秒→・・・発だと仮定する.同様に多摩川の折返し時間も3分30秒を踏襲することで,蒲田には毎時2分→9分30秒→17分→24分30秒→・・・着と定まる.ここに不定期列車を差込むと,蒲田4分40秒発→14分40秒多摩川着・多摩川18分10秒発→28分10秒着のパターンが生成される.

 池上線の不定期列車は五反田で交互着発を行わないため,52分30秒サイクルで構成される.したがって,五反田での停車時間中心から蒲田での停車時間中心まで26分15秒かかる.多摩川線のパターンに載せると蒲田での停車時間中心は1分25秒となり,五反田での停車時間中心は27分40秒となる.先述の通り往復の運転時分は約46分である*1ので,両端での折返しに充てられるのは6分30秒と考えられる.五反田での折返し時間は着発時隔1分以上を2回(対前車・対後車)と発着時隔30秒以上(営業列車同士の干渉)を踏まえて最長5分となる.蒲田に関しては到着時の支障を考えればよく,前車の発車に対する発着時隔を1分以上取れば問題ないだろう.これらを総合的に勘案すると,営業列車に関しては五反田を毎時1分40秒→9分10秒→16分40秒→24分10秒→・・・発,蒲田を毎時0分40秒→8分10秒→15分40秒→23分10秒→・・・発となるパターンが想定される.不定期列車の差込み方は,五反田5分30秒→28分30秒蒲田着・蒲田4分20秒発→27分20秒五反田着のパターンが自然だろう.

 

3.平日夕刻の列車

 朝間・夕刻においてはピーク時の減便について言及されておらず,現行の体制を概ね引継ぐものと考えられる.ただし夜間については下り列車の削減が明記されていることから,当該時間帯の下り入庫を1回前の上り入庫に振替えることで達成していると考えるのが自然であろう.深夜については詳細な時刻表が出ており,ここで書くまでもないだろう.

 

4.運行番号に関する考察

 以上の時刻予測を基に,運行番号の動向について考えてみる.

4.1.総説

 前述の通り平日日中に関しては池上線8運行・多摩川線4運行の12運行体制となる.したがって,池上線では最大でも1~8運行多摩川では21~24運行に限定される.朝間に多摩川線を往復した後に日中池上線を走る運行に関しては多摩川線の続番が指定される(【2006年改正】池上線の運行番号付与方法 - 2日目の鍋は旨い)ため,実際には1~8運行のいずれかが欠番となり,25運行以降が日中走行する可能性が高い.

 平日朝間・夕刻は従来の体制を引継ぎそれぞれ29運行・21運行体制となることが予見される.運行番号に関しても若干の差異はあれど原則としては変わらないと考えられる.

4.2.発生する可能性のあるもの

  • 【平日日中】池上線内の25運行

4.3.消滅する可能性のあるもの

  • 【平日日中】池上線内の9・10・27・28・29運行
  • 【平日日中】多摩川線内の25運行

 以上,2021年改正の予測を行った.詳細は時刻表が発売され次第ということで.

*1:不定期列車はなぜか営業列車よりも時間が掛かる例が多い