2日目の鍋は旨い

走る 停まる また走る いつか止まる

【2021年改正】平日ダイヤ日中における留置運用の実態

 ここでは2021年3月13日改正平日ダイヤでの日中における留置運用について述べる.

 

 ダイヤ改正から半年が経過.大枠としての内容は以前当ブログで推測したもの(【2021年改正】3月13日ダイヤ改正に備えて:傾向と対策 - 2日目の鍋は旨い)に遠からずといった具合であった.平日ダイヤ日中における五反田駅での交互着発,蒲田・多摩川駅での単線着発,そして蒲田駅での池上線・多摩川線(ほぼ)同時発着のいずれも概ね的中した.しかしながら,私を含め(少なくとも自分の身の周りでは)誰も予測していなかったであろう事態が発生した.そう,同じく平日日中の蒲田駅④番線留置の発生である.

蒲田駅④番線に留置中の1017編成(2021年3月15日)

ダイヤ改正後初日は1017編成が充当された.

これは朝ラッシュに多摩川線26運行として運転された編成を雪が谷大塚駅まで送らず,蒲田駅でそのまま入庫扱いとするものである.従前は日中5運行体制だった多摩川線も,今回ダイヤでは4運行+1編成留置という事で事実上の5本体制を保っていることになる.ダイヤ改正によって削減対象になった「日中時間帯」は厳密に夕ラッシュ開始までではなく,減便時間帯と夕ラッシュの間にはおよそ1時間~1時間半ほどある.そのため,この留置車輌は夕ラッシュ用の出庫に先駆けて15時台後半に26運行-2として再出庫する.池上線も同様に,15時台前半に9運行-2・同後半に10運行-2が出庫する.

 

 この施策の理由として考えられているのが,日中の雪が谷検車区の車庫容量である.車庫容量といっても単に留置する分には足りている*1のは当然で,問題は作業スペースが確保されているか?という視点である.細かい説明は省くが,雪が谷検車区は13線*2に24編成分の留置可能箇所を擁している.現在の平日ダイヤでは日中12運行体制であり,それまでの15運行体制と比べ留置数が16編成から19編成へと増加している.わずか3編成の増加であるが,空きスペースは8編成分から5編成分へとほぼ半減している.この状況を少しでも打開すべく蒲田駅留置が発生したものと考えられる.

 

 さて,それだけでも足りない場合はさらに回送列車を運転して対応する.この場合は96運行として雪が谷大塚~多摩川間の不定期回送列車を運転し,多摩川駅⑥番線留置を実施する.

多摩川駅⑥番線に留置中の7113編成(2021年7月19日)

大岡山方面の回送ではない.

前後に営業列車接続がないため,96運行は朝ラッシュ終了後に出庫し,96運行-2は夕ラッシュ開始前に入庫となる.

 

 以上,2021年改正ダイヤにおける日中の留置状況の概観であった.

*1:足りてないから五反田2線留置になったというツッコミはご遠慮願う

*2:カウントの仕方次第で12線にも14線にもなる