2日目の鍋は旨い

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【2023年改正】3月18日ダイヤ改正に備えて:傾向と対策

 ここでは2023年3月18日改正ダイヤについて,現段階(1月3日時点)で判明している情報を基に考察を行う.

 

1.概要

 今回のダイヤ改正の要点は以下の通りである:

  • 平日朝間の列車を削減する(池上線ではラッシュ前後,多摩川線ではラッシュ帯).
  • 多摩川線の土休日日中において運転時隔を6分00秒から6分40秒へと拡大する(プレスリリースでは「10本から9本に変更」と記載されている).

本稿では,これらの情報を基に,改正後のダイヤの形を予測してゆく.

 

2.平日朝間の列車

2.1.池上線(雪が谷大塚~蒲田間)・多摩川

 削減対象を見てみると,

  • 6時台:雪が谷大塚→蒲田間13本から12本へ変更
  • 7時台:多摩川~蒲田間16往復から15往復へ変更
  • 8時台:多摩川~蒲田間18往復から16往復へ変更
  • 9時台:多摩川~蒲田間12.5往復から11.5往復へ変更
  • 9時台:蒲田→雪が谷大塚間16本から15本へ変更

となっている.ラッシュピークの8時台を見てみると,時刻表上では綺麗に3分続行になる列車の組とそうでない列車の組が交互に来ており,全体で13分サイクルとなっている.このことから分かる通り,3分と3分30秒とを交互に配する平均3分15秒間隔での運転となっている.現行ダイヤではピーク時は9運行体制であり,その周回時間は約29分15秒ということになる.感覚的には,約30分で1周するのだから1周あたり9本で9運行体制と読んでもいい.この視点に従えば改正後はどうやら8運行体制になりそうだという予測ができる.3分30秒等隔では毎時17本,4分等隔では毎時15本になることから,3分30秒と4分とを交互に配する平均3分45秒間隔での運転が予想される.もちろん平均3分40秒間隔(3分30秒・3分30秒・4分)や平均3分50秒間隔(3分30秒・4分・4分)も本数上は不当ではないが,多摩川・蒲田両駅における交互着発時の交叉支障を回避するためには2本パターンの方が望ましいと思われる.平均3分45秒間隔の場合,朝間の多摩川線は30分サイクル・8運行体制となる.6時台及び9時台での池上線蒲田口の1往復減はこの1運行減に伴う送込み・返却の削減と考えてよいだろう.

2.2.池上線(五反田~雪が谷大塚間)

 こちらの削減対象は

  • 8時台:五反田→雪が谷大塚間23本から22本へ変更
  • 9時台:雪が谷大塚→五反田間16本から15本へ変更
  • 10時台:五反田→雪が谷大塚間9本から8本へ変更
  • 10時台:雪が谷大塚→五反田間10本から9本へ変更

となる.ラッシュピークに係わる上り8時台の減便が無いことから,この間は特段の変化が無いものと見做して列車個別に検討する.

 まず上り9時台であるが,先に述べた多摩川線関連と同時間帯であるにもかかわらず分離して記述されていることから,上り列車丸々1本削減ではなく,雪が谷大塚止の削減と五反田行の雪が谷大塚止への短縮になると考えてよいだろう.前者は現行の27運行092列車に相当するものであり,それとは別箇に現行の28運行092列車に相当するものであろう.この削減により9時台前半の五反田口到着本数が減少するため,8時台後半から下りの運転間隔を拡大し14運行083列車に相当するものも削減されると見込まれる.

 続いて10時台であるが,日中の減便が無いことから,この時間帯に下り入庫となっている8運行が上り入庫となり092列車・101列車の雪が谷大塚~五反田~雪が谷大塚間が削減されるものと考えるのが妥当であろう.

 

3.土休日日中の多摩川線列車

 1往復での走行時間は20分10秒であり,6分40秒間隔で5運行体制の場合,多摩川・蒲田両駅での折返し時間は13分10秒となる.2021年改正の考察(【2021年改正】3月13日ダイヤ改正に備えて:傾向と対策 - 2日目の鍋は旨い)でも記したが,多摩川駅の発着時隔を1分30秒以上確保しようとすると折返し時間は3分30秒~5分10秒となり,蒲田駅での折返し時間は8分~9分40秒となる.

 ところで5運行体制の維持として解釈することに妥当性はあるのだろうか.4運行体制について検討してみる.この場合は両端駅での折返し時間が6分30秒となり,3分30秒の確保が不能となる.しかし,この3分30秒というのはあくまでも同一の乗務員による折返しの下限ライン*1であり,交代を伴う場合はこの限りではない.この場合は蒲田駅での折返し時間が1分20秒~3分となる.多摩川駅で3分30秒,蒲田駅で3分といったところだろうか.

 必要な乗務員数は5運行体制でも4運行体制でも変わらないため,動力費削減の文脈から4運行体制の方が自然ではなかろうか.

 

4.運行番号に関する考察

 以上の時刻予測を基に,運行番号の動向について考えてみる.

4.1.総説

 平日朝間は池上線20運行・多摩川線8運行の28運行体制となることが必至である.多摩川線の運行数が減少することに伴い,池上線の運行にも若干の変化が発生することが見込まれるが,現状の日中12運行・夕刻21運行体制は変わらないものとみてよい.

 なお,2013年のサマータイムダイヤで30運行が夕刻のみの設定となったこと,2018年改正以降の26運行の取扱い(特に入出庫時刻)に不自然な点が見受けられることから,29運行を夕刻のみの設定として維持する可能性についても言及しておきたい.

 土休日日中は池上線10運行・多摩川線4運行の14運行体制に票を投じることとする.

4.2.発生する可能性のあるもの

  • 目ぼしいものはない

4.3.消滅する可能性のあるもの

  • 【平日】29運行
  • 【土休日日中】25運行

 

5.余談

 運行数の減少に伴い離脱編成の発生が見込まれる.現行3車種(1000系・7000系・1500系)の中では1000系が妥当である.在籍7編成のうち1013・1017編成に関しては装飾付きのため除外すると,1012・1019~1022編成の5編成が候補となる.このうち1012編成は他の4編成と仕様が異なるため,離脱する可能性がある(仕様面という意味では1013編成が筆頭格なのだが).なお,検査期限の面では1020編成が次に来る.

 もう1つ,所属編成数が減るということはわざわざ増やした留置措置も不要になる可能性がある.27運行体制から現行の29運行体制になった2018年改正で誕生した五反田駅2線留置であるが,これが不要となって1線留置に復したり,日中の稼働編成数が減少した2021年改正で発生した蒲田駅④番線留置についても不要となって単純な入出庫に移行しても不思議ではない.

 

 以上,2023年改正の予測を行った.詳細は実際に新ダイヤを見次第ということで.

*1:実際には別の規定かもしれないが,そこまで踏入れるだけの情報はない